書籍「日本の教会に忍び寄る危険なムーブメント」より抜粋③

NAR(新使徒的改革)は、建前は「聖書のみ」と言っていますが、実際は「聖書ではなく、絶対的な権力者である私たち(自称)使徒預言者に聞き従え」と主張しています。

 

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以下、書籍より抜粋。

P35~36

NARの使徒たちは、自分のネットワークにおいて、絶対的な権威を持つ。新約時代の使徒たち、あるいは旧約時代の預言者たちと同等の権威を持つとされるから、彼らの言うことはすべて、神の言うこととして受け止められる。

(中略)

逆らう者は、「裏切り者」、「聖霊を消す者」、「一致を乱す者」、「悪霊に取りつかれた者」とレッテルを貼られる。また、使徒に従わない人間に対して、脅しの言葉が飛ぶ。悔い改めない場合、「神に裁かれる」、「病気になる」、「家庭に不幸なことが起こる」、「交通事故で死ぬ」と言われるのだ。

 

P38

更に、初代教会の指導者たちとNARの使徒たちの生活を比較しても、その差は歴然としている。高級車を乗り回し、豪邸に住み、どこへ行ってもVIP扱いを受けるNARの使徒たちに対して、パウロは自分の生活の厳しい現状を次のように述べている。
「今に至るまで、私たちは飢え、渇き、着る物もなく、虐待され、落ち着く先もありません。また、私たちは苦労して自分の手で働いています。はずかしめられるときにも祝福し、迫害されるときにも耐え忍び、ののしられるときには、慰めのことばをかけます。今でも、私たちはこの世のちり、あらゆるもののかすです」(Ⅰコリント4・11~13)。

 

P43

著名な預言者で、5万人のクリスチャンに対して個人的な預言をし、「預言者の父」と呼ばれるビル・ハモン氏は、預言者の務めについて、次のように述べている。

「神によって任命された預言者たちは、個人、教会、あるいは国々に対して、指示、矯正、導き、そして新しい啓示を与える権利を持っています」

また、預言者とクリスチャンの関係について、こう語っている。

「神の預言者を拒絶する者は、神を拒絶しています。また、預言者を認めず、預言者に語ることを許さないなら、神に対して『何も語るな』と言っているのと同じです」

 

P44~45

こうして、ジョイナー氏は大胆にも、自分の著書はペテロ、パウロ、エゼキエル、ヨハネと同じレベルの「恍惚体験」に基づいて書いたと主張している。したがって、当然のことながら、そこに聖書と同等の権威があるという話になるのだ。

 

P45

NARの中心的なビジョンは、「七つの山」(宗教界、家庭、教育界、政界、マスメディア、芸術界・エンターテインメントの世界、ビジネス界)の制覇だ。この七つの分野にクリスチャンの影響力が増せば増すほど、人間社会の真の改革が可能になるという話だが、「七つの山の制覇」に関する聖書的言及は皆無だ。これは元々、ランス・ウォルヌーという預言者が受けた啓示だそうだ。

 

P48

元スタッフのミシェル・マックカンバー氏は、その著書The View Beneath(下から見た光景)の中で、自分がモーニング・スター・ミニストリーズに行って間もなく、聖書を読まなくなったと証言している。預言者からの啓示があるから、聖書を読むことの必要性を感じられなくなった、という。

 

P49

こうして、NARのムーブメントを批判し、「それは聖書に反することではないか」と指摘する人間は、「どのように聖霊によって導かれるかを学んでおらず」、「肉の人」とレッテルを貼られる。