キリスト教 宗派・教派・教団の違いと分類

最近キリスト教に興味を持つ方が、少しずつですが増えているように感じます。

 

キリスト者として嬉しいことですが、反面、一口に「キリスト教」と言っても、あまりにも差異があるので、困ってしまいます。

 

初めに、聖書の救い(罪の赦し、永遠の命)を約束(保証)しているのは、目に見える教会組織(人間)ではなく、聖書(神の御言葉)自身であることを、はっきりとお伝えしたいと思います。

聖書に書いてある通りの神様を信じて生きることが重要なのであって、組織に所属することは重要ではありません。

 

<宗派の違い>

「宗派」とは、教典が違うものを指します。大きく分けて3つあります。

A.オーソドクス(東方教会):ハリストス正教会ギリシア正教ロシア正教など)

聖書だけでなく、正教会が認定した「聖伝(伝承)」を教典とする。神秘主義が強い。絶対的権力者はいないが階級はある。儀式が中心。イコンと呼ばれる「聖画像」が象徴的。

 

B.ローマ・カトリック教会西方教会

経典は、カトリック教会が認定した「聖伝(伝承)」が最終権威で、聖書(外典を含む)は部分的にのみ使用。時代とともに教えも変わる。バチカンローマ法王に絶対的な権力があり、統一されたピラミッド型の組織になっている。儀式が中心。イエス像、マリア像、聖人像が象徴的。

 

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C.プロテスタント(堕落した西方教会に抗議して枝分かれ)

プロテスタント」というまとまった組織はなく、以下の3点(福音主義)を基準にしたキリスト信仰の個教会や個人を指します。

①「経典は聖書のみ」:聖書(66巻)のみを「原典において、誤りなき不変の神の御言葉」と認める=聖書信仰

②「救いは神の恵みと人の信仰のみ」:神の恵みに対し、人間が信仰によって応えることで救われる。人間の行いや儀式によって救われるのではない(ただし、救われた結果としての行いは必要)。

③「万人祭司」:全ての信者は神様の前に、基本的に対等な兄弟姉妹であり、キリストを通して直接神様と交わることができる。神様と人との仲介者は、主イエス・キリストのみ(ただし仲介者としてではない牧師・教師などの役割を否定するものではない)。

 

 

<教派・教団の違い>

「教派」と言うのはプロテスタント内で使われますが、経典は一緒なので、違いは強調点だけです。

大まかな分類として、「(狭義の)福音派」「きよめ派」「聖霊派」があり、その下に具体的な教団の分類があります。

「リベラル派」「エキュメニカル派」という派閥もありますが、それらは聖書信仰ではないので、本来はプロテスタントとは言えません。

また「聖公会英国国教会)」も、分類上は一応プロテスタントですが、カトリックに近い部分が多く、上記した「福音主義(聖書信仰)」ではありません。

(*「きよめ派」「聖霊派」は「“広義”の福音派」になります。つまり「リベラル派」「エキュメニカル派」を除く、正統的プロテスタントはみな「広義の福音派」です。)

 

 

基本的に信仰は個人的なものなので、教派教団によって完全な線引きは出来ません。どこどこの教団だから、絶対に安心、絶対にダメというものはありません。同じ教団内でも、違うタイプの信仰を持っている教会・個人もあります。

非聖書的なグループに属しながら正しい信仰を持つことは難しいですが、重要なのは自分自身が堅く「聖書信仰・福音主義」に立つことです。

信仰の違うグループでも、教団・教会名がかなり似ている場合もありますので、ご注意ください。

以下、「クリスチャン情報ブック2010(いのちのことば社)」を元に、見聞きした情報を加えて、教派の特徴をまとめてみました。教団名は、特に推薦する目的で書いている訳ではありませんので、「参考」に留めて下さい。

 

①リベラル派・・・聖書を単なる神話・教養・文化・ブランドとして利用している異端信仰。文字通りの天地創造、処女降誕、復活、奇跡などは信じない。

日本基督教団や日本バプテスト連盟など。

 

エキュメニカル派・・・聖書の重要な教理である「キリストの唯一の救い」を否定し、世の中に迎合したヒューマニズムによる「宗教一致運動」を目指す異端信仰。

日本聖公会日本福音ルーテル教会、日本バプテスト同盟、在日大韓基督教会、日本自由メソヂスト教団、国際基督教団、日本ナザレン教団、日本キリスト改革派教会東京ユニオンチャーチ、日本キリスト教会(近年堕落して福音派から転向した模様)、キリスト友会日本年会(クエーカー。これまで聖霊派に分類していましたが、NCCに準加盟していることが分かりました)など。

 

福音派(狭義)・・・聖書信仰。心の中の信仰・知識を重んじる。行いは重要視されない。大人しい。静か。やや暗い。

日本福音キリスト教会連合(JECA)、日本同盟基督教団聖書キリスト教会聖書教会連盟日本バプテスト教会連合保守バプテスト同盟、福音バプテスト連合、福音バプテスト宣教団、日本バプテスト・バイブル・フェローシップ日本聖契キリスト教団日本聖約キリスト教団、正統長老教会日本ミッション、世界福音伝道団、日本伝道福音教団、勝利教会グループ、新生キリスト教会連合、スウェーデン同盟キリスト教団、日本使徒キリスト教会、日本福音自由教会協議会、福音交友会、ルーテル福音キリスト教会、リーベンゼラ日本宣教団、センド国際宣教団、ハーベスト・タイム・ミニストリーズなど。

 

④きよめ派・・・聖書信仰。信者としての成長(聖化)、行いの大切さも説く。やや堅い。牧師の権力強め(ブラザレン系兄弟団など一部を除く)。

イムマヌエル綜合伝道団(*近年、一部に堕落傾向がみられる)、救世軍、日本ホーリネス教団、ウェスレアン・ホーリネス教団、基督兄弟団、日本キリスト兄弟団、日本キリスト宣教団、基督聖協団、キリスト伝道隊、基督伝道隊、日本伝道隊、日本フリーメソジスト教団、東京フリー・メソジスト教団、日本長老教会、日本福音教会連合、日本福音教団、聖イエス会、復活之キリスト教団、聖書宣教教会、聖成基督教団、福音伝道教団、コイノニア福音グループ、活水基督教団、シオンキリスト教団、チャーチ・オブ・ゴッド、日本メノナイト・ブレザレン教団、東京地区メノナイト教会連合、東京中央教会、東洋宣教団きよめキリスト教会日本アライアンス教団、日本イエス・キリスト教団、日本神の教会連盟、日本宣教会など。

 

聖霊派(カリスマ派、ペンテコステ派)・・・聖書信仰。聖霊の力・賜物を強調している。明るく、喜びに満ち、最も行動力がある。牧師の権力志向が強く、何でも積極的なため流行の教えを安易に受け入れてしまい、カルト化しやすい。

日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団、イエス・キリスト福音の群、日本ヴィンヤード・クリスチャン・フェローシップ、日本フォースクエア福音教団、日本フルゴスペル教団、活けるキリスト一麦教会など。

 

以上は信仰面での分類ですが、教会組織運営上(教会制度)の分類として、主に監督制、長老制、会衆制、ブラザレン(ブレザレン)系があります。後者ほど、役職による上下関係が弱く(権威の差がなく)、信者がみな対等の立場になります。

また儀式の違いとして、バプテスト系は「水の洗礼=浸礼(全身を水につける)」にこだわっています。 

 

(追記 2019.1.20)

いのちのことば社「クリスチャン情報ブック」のデータが、無料一般公開されるようになりました。

教会検索などに役立ちます。ただし、異端やカルト(化)教会なども含まれているので、ご注意ください。

教会・キリスト教関係の最新データ約12,000件掲載|クリスチャン情報ブックWEB

 

 

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